ダイスの歴史は非常に古く、先史時代の穴居人たちも洞窟の中で動物の骨で作ったダイスを使い、運勢を占ったり遊んだりしていました。ポンペイの遺跡やピラミッドの墓室の中からもダイスが発見されています。
アメリカのカジノで人気のあるクラップスの原型は12世紀の十字軍で、アラビアに遠征したイギリス人騎士や兵卒にさかのぼります。フランス語では偶然のことを「アザール」と言いますが、これはアラビア語ではダイスを意味する「ア・ザール」が語源だといわれています。
12世紀にイギリス人が中近東から持ち帰ったこのゲームは、2つのダイスの出目の合計が2、3あるいは2、3、12の場合を「クラブ」と呼んでいましたが、歴史とともに発音が変わり「クラップ」となり、そして現在の「クラップス」になりました。
イギリスで何世紀も流行した後、18世紀にフランス人によりアメリカのニューオーリンズに持ち込まれ、ミシシッピ川を走るリバーボートのギャンブラーに愛好されるようになります。アメリカではミシシッピ川のリバーボートのほか、西部開拓に向かったカウボーイたちやカリフォルニア州の金鉱探しの山師たち、鉄道黄金時代にはギャング達が個室寝台の中で仲間内で興じたゲームです。
ヨーロッパに普及したのは第2次世界大戦の頃です。カジノの本場フランスにクラップス台の設置が認められたのは1969年と比較的最近のことです。
2つのダイスを客が順番に投げて、その合計が参加者全員の勝負の基本となります。
ルーレットや
ブラックジャックと違ってディーラーが中心となりゲームが進むのではなく、客が投げるダイスの出目が中心となります。ダイスはそっと近くに振って自分の希望の目を出したりできないように、クラップス台の反対側の内壁にぶつかる強さで投げる必要があります。壁にぶつからなければ振り直しです。
2つのダイスを振ると出目の組み合わせは36通りです。ダイスを投げることをスロー、またはロールといいますが、ロールには2種類あります。ゲームの最初のロールの「カムアウト・ロール」と、ゲーム途中の「ポイントロール」です。それぞれのロールには賭け方のルールが決まっています。
クラップスは合計7の目が出たら1つのゲームが始まり、次に7が出たら1つのゲームが終わりシューターが交代して新たなゲームが始まります。同じシューターが2度目の7を出すまでの時間が長ければ長いほど客は的中を積み重ねチップを増やしていきます。なのでなかなか7を出さないシュータの時は賭金を積み増していくのが基本です。
7という数字は縁起やギャンブル(スロットのスリーセブンなど)で重要な役割をしますが、クラップスでは特に重要になります。2つのダイスを振り、2が出る組み合わせは1と1で、12が出る組み合わせは6と6しかないですが7が出る組み合わせは【1と6】【2と7】【3と4】【6と1】【5と2】【4と3】の6通りもあります。
合計がでる確率表
数字 | オッズ | 確率 | ダイスの出目 |
2 | 35:1 | 2.78% | 3 |
3 | 17:1 | 5.56% | 12 21 |
4 | 11:1 | 8.33% | 22 13 31 13 |
5 | 8:1 | 11.11% | 14 41 23 32 |
6 | 6.2:1 | 13.89% | 33 24 42 15 51 |
7 | 5:1 | 16.66% | 16 61 25 52 34 43 |
8 | 6.2:1 | 13.89% | 44 26 35 53 |
9 | 8:1 | 11.11% | 36 63 45 54 |
10 | 11:1 | 8.33% | 55 46 64 |
11 | 17:1 | 5.56% | 56 65 |
12 | 35:1 | 2.78% | 66 |
このようになります。この確率の違いは、つかんでおくことが重要です。