ブラックジャック 
ブラックジャックとは
ブラックジャックは、カジノの決めた取り分の比率がいつも同じのバカラルーレットなどのゲームとは違い、プレイヤーの判断によってオッズが変動します。さらにルーレットスロットマシン、、クラップスなどでは、前回の出目が次回の出目に関係しませんが、ブラックジャックでは使用済みのカードから残るカードが限定され、今後のカードの読みに関係してきます。そのためブラックジャックは難しいゲームと言えます。

ブラックジャックのルールは簡単ですが奥行きが深く、運だけのものではなくて、プレイヤーの知恵と勘もかかわってきます。さらにカジノの取り分が少ないので、カジノを負かせる可能性があるという点で急激に伸びてきました。現在、カードを使うゲームではもっとも人気があります。21を超えない範囲でプレイヤーとディーラーのどちらの合計数字が高いかを競い、勝てば賭金と同額の配当がもらえるゲームです。

ギャンブルには運だけに頼るもの(スロットマシンルーレット)と、運もそうだが勘や知識が必要な麻雀、競馬、ポーカーなどがあり、ブラックジャックは後者にあたります。判断力や知識などが絡んでくるゲームです。

ブラックジャックの起源には、定説は残っていません。類似のゲームが初めて歴史に登場するのは16世紀です。もともと家庭内での簡単なゲームでしたが、イタリア、フランス、スペインなどのラテン系諸国の人たちが考えたというのが有力な説とされています。

フランスでは「21(ヴァンテアン)」「30〜40(トラント・エ・カラント)」というゲームがあり、フランス人たちはこれが起源だと言っているそうです。ブラックジャックと呼ばれるようになったのは、最初に配られたカードがスペードのエースとジャックだったときに、高い配当をつけるようにしたのが始まりです。

ブラックジャックはルールが変更され続けているゲームですが、もっとも重大なルール変更はブラックジャックの定義が「スペードのエースとジャック」から「全種類のエースと10、ジャック、クイーン、キング」の組み合わせになった点です。

ブラックジャックはアメリカに渡った後、人気を得て発展します。アメリカの記録には1875年のアメリカ室内遊戯一覧に登場していて、非合法カジノに登場したのは1910年前後だそうです。当時のアメリカはギャンブルは違法でしたが、ギャンブラーはスペードのエースと黒のジャックには配当10倍など新しいルールを加えて行っていたようです。

戦前のカジノでは、ヨーロッパはルーレット、アメリカはポーカークラップスが人気で、ブラックジャックはトップのゲームではありませんでした。

しかし、1960年代にブラックジャックのその後の運命を変える出来事が起きます。アメリカの数学者やプロギャンブラーたちがコンピューターを駆使してデータを分析し、必勝理論やカジノ打倒作戦を考え出し、ラスベガスやその他、世界中のカジノに大損害を与えたことです。このカードを数える「カードカウンティング」をめぐるプロとカジノの攻防は、プロの立入禁止、逮捕や訴訟など全米ニュースとなりました。

「カードカウンティング」とはすでにゲームで使われたカードを記憶し、残るカードを推理しディーラーと客のどちらに有利なカードが残っているかを分析して、それにより賭金を増減させカードの引き方を変動させる方法です。

60年、70年代には多くのブラックジャック必勝講習所などが開設されて、多数の人たちが必勝法を学びカジノに乗り込みました。カジノ側は対抗するためにルールを変更するなどし、激しい攻防が繰り広げられて、それがきっかけでブラックジャックの人気が急激に高まりました。
ブラックジャックのルール
ブラックジャックはカードの数字を合計して、大きい方が勝ちとなります。最初2枚からスタートして、好きなだけカードを追加していくことができます。ただし、21点が最高で、22点以上になってしまうとその時点で負けです(バースト Bust と言います)。

家庭ゲームの場合は、21点が最高であるところから、「21ゲーム」や「トゥエンティ・ワン」といった名称で呼ばれています。親(ディーラー Dealer )と子(プレーヤー Player )の対戦で勝負を行い、点数が21点以内で大きい方の勝ちとなります。ディーラーが勝てばプレーヤーの賭け金(ベット Bet )は没収され、プレーヤーが勝てば賭け金と同額が支給されます。ディーラー対プレーヤーの一騎打ちのゲームです。

ディーラー1人に対し、複数のプレーヤーが同時にプレーすることができますが、他のプレーヤーの手札 hand はまったく関係なく、あくまでもディーラーとの1対1の勝負で勝敗が決まります。カジノでは、ディーラー1人に対し、プレーヤーが最大7人まで着席(プレー)できるようになっているところが多いようです。
ブラックジャックの遊び方
プレーヤーは、賭けるチップをベッティング・サークルの中心に置きます。ディーラーがカード2枚を各プレーヤーに表向きにして配り、ディーラー自身にも1枚は表向きにして、もう一枚はふせて、合計2枚を自分自身に配ります。
絵札(キング、クイーン、ジャック)と10は10として計算されます。エースは1または11のどちらかプレーヤーの都合のいい数としてカウントできます。その他の2から9までのカードは、そのままの数でカウントされます。

最初の2枚のカードがエースと、10としてカウントされるカードの組み合わせであれば、プレーヤーは「ブラックジャック」となり、ディーラーもブラックジャックでない限り、賭けたチップの1.5倍が払われます。
「ブラックジャック」ではなかった場合、カードの合計を21に近づけるため、合計が21を超えるまでは好きなだけカードを引くことができます。
合計が21を超える(「ブレーク」といいます)と負けで、賭けたチップは没収されます。ディーラーはディーラーのカードの数の合計数が、16以下の場合はカードを引き続けなければなりません。また、17以上になったら、スタンド(カードをそれ以上引かない)しなければなりません。
ブラックジャック用語
HIT(ヒット)
もう一枚カードを引くこと。

STAY(ステイ)
それ以上カードを引かないで、勝負にでること。

SPLIT(スプリット)
プレーヤーが、最初に賭けたチップと同額のチップを追加して賭けることにより、最初に配られた2枚のカードを2つの手に分けること。2枚のカードは等価値でなければなりません(例:8のペアー、キングとクイーンの組み合わせ、等)。2つの手に分けたあとでエースと10の価値があるカードの組み合わせができても、それはブラックジャックとはみなされません。

DOUBLE DOWN(ダブルダウン)
プレーヤーが、最初に配られた2枚のカードを見て、最初に賭けたチップと同額のチップを追加して賭けることを選択することもできます。この場合、あと1枚だけカードが配られます。手がブラックジャックのときは、ダブルダウンすることはできません。

INSURANCE(インシュアランス)
ディーラーの表向きに配られたカードがエースのとき、最初に賭けたチップの半額を追加することにより、インシュランス(保険)をかけることができます。ディーラーのもう一枚のふせて置かれたカードが10の価値があるカードである、すなわちディーラーがブラックジャックだと確信するときには、インシュランスをかけます。インシュアランスをかけていれば、もしディーラーがブラックジャックであっても、保険金と賭けたチップはそのまま戻ってきます。ディーラーがブラックジャックでないときは、保険金のみ没収されます。

ブラックジャックの手は、3枚以上カードの合計が21になった場合に勝ります。